水槽の水質管理において、設備機器の選定は人間の体でいう臓器そのものともいえる重要なテーマです。
特に、オゾナイザー(オゾン発生器)、殺菌灯(UV滅菌装置)、プロテインスキマー(泡沫分離装置)などの装置は、水質浄化を目的として多くの水族館でも導入されています。
しかし、これらの機材には用途や導入シーンによって適不適があるので必要かどうかの判断が難しいですよね?
今回はそれぞれの機器の特徴、メリット・デメリットをプロの視点から解説します。
プロテインスキマー (泡沫分離装置)

メリット
- 有機物や老廃物を効率的に除去できます。
- 水中の透明度を高く保てる上、魚から出る粘膜を除去するため水換えの回数を減らすことができます。
デメリット
- 活魚のストックには不向きなことも。⇒ 活魚のストック数や水位が一定でないと、装置が最大限の効果を発揮しないことがあります。
- 流量調整が都度、必要なことも。⇒ 放置すると泡が溢れ出し、電気系統やクーラーに泡が付着すると火災の原因になることもあります。
都度、スタッフの方に点検するには負担になるため、当社では活魚水槽には水替えを基本とするメンテナンスプランを推奨しています。
オゾナイザー(オゾン発生器)

メリット
- 強力な酸化作用により、微生物や有機物を分解。
- 水槽内のにおい対策としても効果的なため、衛生面を徹底管理したいお店にオススメです。
- 水族館でも使用実績が多数あります。
デメリット
- 泡沫分離装置と同様、活魚には不向きなことも ⇒ ストック数や水量に変動があると、浄化能力にムラが出やすいです。
- また、市場などの湿度が高い場所は不向きです。(ただ、エアドライヤーを使うことで設置可能になります。)
※エアドライヤーとはエアコンの除湿のようなもので、空気を乾燥してくれる装置です。
オゾンが活魚にあたると死んでしまうので、泡が当たらないように設置することが必須です。
殺菌灯(UV殺菌装置)

メリット
- バクテリアやウイルスを殺菌するため、病気の予防として大変、効果的です。
- 特に養殖魚は病気の予防のために抗生物質が使われているため、水槽や生簀に導入してから3日以上たつと病気が発生しやすくなります。生け簀に1週間以上ストックする場合は必要不可欠です。
- 例)カワハギやシマアジは特に病気に弱いです。
デメリット
- 有用バクテリアまで殺してしまう可能性があり水が白く濁ってしまうことも。 ⇒ 水を綺麗にするためのろ過槽のスペースをなるべく大きくするのがオススメです。
- 例)活魚の場合は水槽水量の約50% 100Lなら50Lあるといいですね。
紫外線ランプは消耗品のため、定期交換が必要(約6~12か月)

用途におけるポイント
水位・ストック数の変動があるため、プロテインスキマーとオゾナイザーの導入は慎重に判断する必要があります。
まとめ
水質浄化装置は非常に便利な存在ですが「すべての水槽に万能」というわけではありません。
特に活魚を扱う場合は、水位やストック数の変動があるため、こうした機器の導入には十分な理解が必要です。
- プロの判断による設計・水換え管理を理解して設備の特性を理解して併用することが理想的ですね。
導入するべきか否かは
ストックする活魚の種類やストックする数によって
効果が大きく変化するので
お気軽にご相談下さい。
導入するべきか否かは
ストックする活魚の種類や
ストックする数によって
効果が大きく変化するので
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